2010年5月22日土曜日

第1082回MS@相模原市

平成22年5月25日 午前6:30~
於:ホテルセンチュリー相模大野
参加者数:26社27名
講話者:
株式会社ムードメイク代表取締役
ムードメイクコンサルタント
川口 有 氏
テーマ:「笑い」が業績を押し上げる

米国の行動心理学者のデータによれば、子供は1日300回笑うという。対して大人は1日15回しか笑わないという。なぜかといえば、子供は笑いに概念が要らない。箸が転がるだけでも笑ってしまう。対して大人は笑いに概念が必要となる。落語に「落ち」があるのが、その典型である。したがって、大人がさまざまな効用が
ある笑いを増やすには、笑いに必要な概念をすっ飛ばせばよい、ということになる。川口さんが手がけているラフターヨガなども、そのためのツールのひとつである。

笑う時は、笑いながら息を吐くことになるため、その後は当然、酸素を吸い込むことになる。つまり無意識に腹式呼吸をすることになる。息を吸うことで、血液中のヘモグロビンと酸素が結合し、ミトコンドリアに運ばれる。ミトコンドリアでは酸素を使ってエネルギーを生成する。脳は(脳以外の)身体の5~10倍の酸素を使うといわれており、笑いを取り入れたアイデア創出(ブレーンストーミング)を行ったところ、3.5倍の効果があったといわれている。ある企業の営業マンで調べたところ、ユーモア度が高い(4~5)営業マンが売上の7割を支えているという。これは笑いによりお客と感情を共有したことにより、ラポールを構築できるとためである。
※ラポールについては、こちらを参照ください

笑いはがん予防に効く。毎日できるがん細胞をナチュラルキラー(NK)細胞が消すのだが、NK細胞が不足しているとがんを倒せない。NK細胞を増やす方法として唯一わかっているのが笑うことである。これはなんばグランド花月で漫才を聞かせた被験者のデータに基づくものである。
筑波大村上和雄名誉教授によれば、笑いには血糖値を避ける効果もあるという。漫才を聞いた場合と、講義を聞いた場合の血糖値の上昇率を比較した。漫才は45分間という、長時間笑わせられる漫才師が必要でありB&Bが担当した。実験結果が公表された直後は「B&Bという薬が欲しい」という問い合わせが殺到し、村上教授は対応に苦慮したとか。

若手営業マンの中に営業成績が上がらないものがいて、彼らにセミナーを受けてもらったら、受講中から笑顔が出るようになった。しかし、笑いの効果は12~24時間しかもたないので、朝礼で笑う練習をすることとした。作り笑顔ではなく、本当の笑顔を作り出せるようになったことで相手との距離が縮まり、営業成績が上がったという。

米国の警察官が夫婦喧嘩の仲裁に行くと逆上されてしまうので、ウサギの着ぐるみを着て行くことにした。そうすると、玄関で警官を迎える相手は笑うしかなく、仲裁効果が上がったという。加えて署内に着ぐるみがあることで、同僚が着ぐるみを着て出かける姿を想像することで笑いがこみあげることもあり、職場の雰囲気もよくなったという。
サウスウエスト航空も接遇に笑いを取り入れていることが好業績を上げる要因になっているという。採用試験でも「リラックスしたいのでショートパンツに履き替えてください」と話しかけて、履き替えた人から順次採用を決めたこともある。

川口さんは、社団法人ラフターヨガ・ネットの常務理事としても活躍している。ラフターヨガは笑いとヨガの呼吸法を組み合わせたエクササイズである。インドで笑いについて研究していた医師、ドクターカタリアが体系化したものだ。グループでアイコンタクトを取りながら笑うことで、最初は作り笑いでも笑いが伝染する作用がある。環境に依存する脳細胞ミラーニューロンが作用するからである。
「握手をしながら笑う、挨拶ラフター」や「ミルクセーキを作る様子を擬音だけで表現したあとで飲むマネをして笑う、ミルクセーキラフター」など、種類は無限に存在する。
40分笑うと20分走ったのと同じ運動量があり、そのあとでリラクゼーションを入れて、セロトニンが発生するため、ストレスを著しく解消することができる。

笑いには体温を上げる効果もあり、体温を上げると免疫力も上がるため、病気にならない。また、がん細胞は36℃を超えると生きられないと言われている。
他にもさまざまな笑いの効果があるので、日々の生活や仕事の中で笑いを取り入れていくことが重要である。これにより、従業員の健康を維持することができるというわけである。

2010年5月8日土曜日

第1080回MS@相模原市

平成22年5月8日 午前6:30~
於:ホテルセンチュリー相模大野
参加者数:37社37名
講話者:環境省3R推進マイスター
エコプランナー 鈴木 武 氏
テーマ:1個のレンガ
~複眼的経営による無理と無駄の見直し

鈴木さんが普段から実践していることは、おカネにお礼をすることだそうです。資本主義経済の日常生活では、もっともお世話になっているのだからと、彼らにお礼をしているのだとか。具体的には一緒に風呂に入ったり、旅行に出た際には良い景色を見せて上げているそうで、こうした実践で、少なくとも自分はおカネが増えているので、是非皆さんも実践して欲しいとのこと。
鈴木さんは松下電器(現:パナソニック)に長く勤められる中で、松下のゴミをゼロにした仕掛け人です。それも現場から、すなわちボトムアップでゴミ箱を撤去するに至った希有な事例なのだそうです。パナソニックは松下幸之助翁の考えが強く浸透しているなど、強い企業文化・風土を持っている企業だけに、これまでの慣習・文化を変えさせるのはとても大変だったといいます。
最初にゴミの分別がないところに、色つきのゴミ箱を用意したが、なかなかその通りには入れてくれない。自分にとって要らないものだから、放り投げてしまう。そういう方に「分別していないですね、それは困りますよ」と言おうものなら、『誰が捨てたのか分かる証拠があるなら別だ』と言われ、本部に電話されて首にされてしまう。したがって、彼らを責めることはできない。困り果ててゴミ箱を1m高い位置に動かしたら、「投げ入れる」動作が「キチンと入れる」動作に変わった。床に落ちている名刺はゴミだが、テーブルの高さにあれば「忘れた名刺」になるし、もう1m上げたら「ありがたい言葉があるもの」ということで、意識が劇的に変わった。

予算ゼロの中で物事を進めるためには、『知恵』を使うしかない。一般的には『知識』を習得することが教育と誤解されがちだが、持っている『知識』をいかに応用・工夫して『知恵』に変えるかが、本当の教育である。柔軟性を持った発想ができないと応用・工夫はできない。例えば「1個の煉瓦をどう使いますか」と尋ねて見ると、1~5個と答える方が70%で、こうした傾向は高学歴の方に多く、1分もあれば止まってしまう。5~10個の方は20%、10個以上の方は10%程度に留まるが、意識を変えて、柔軟に物事を考えて、知識を知恵に変えられるようになれば、ゴミがゴミでなくなり、資源に変えることすらできるようになる。

×が4つあり、それらが最大化した状態が「爽やか」な状態で、そうした状態が変わると「幸せ」になる。経験はしたくないが、折角厳しい体験をした際には、爽やかから幸せになるためのプロセスにあるのだと、発想を考えて欲しい。自分自身が上司との折り合いも悪く、使い辛い窓際族であったと思うが、逆にこうした自分だからこそ、ゴミをゼロに変えられた。ゴミゼロの詳細は、次の機会(5月27日の町田市MS)でお話ししたい。

人生にとって大切なことは、「いつ学ぶかではなく、できることをいつ実行するか」である。松下時代に上司からは「(松下精神は)頭にたたき込め」と言われたが、松下幸之助翁に何回かお会いした際に感じたのは、精神はその方の立ち居振る舞いに宿っている、すなわち身体に宿っているものだと分かった。