2010年4月21日水曜日

第1078回MS@相模原市

平成22年4月17日 午前6:30~7:30
於:ホテルセンチュリー相模大野
参加者数:38社39名
テーマ:稲盛流経営哲学との出会い
講話者:
株式会社アクティブチームメソッド研究所
代表取締役 高比良 聡 氏

現在は独立してコンサルティングを行っている高比良さんは、ゼネコンで4年、物流機器メーカーで4年、コンサル会社で4年、現場改善に取り組んでいた。
日系コンサル会社では苦い経験をした。改善の理屈は優れていたかも知れないが、本人たちにはやらされ感があって、やがて苦痛となり、本物の改善に結びつかなかった。そこにいる人たちが自分自身が主体となって取り組まないとダメだと気づいた。そうした中で稲盛和夫氏の「心の経営」に出会い、興味を抱いた。その後、山形県のコンサル先で倒れてしまい入院した後に、京セラ系コンサル会社の募集広告を見て、飛び込む決意をした。
そこでは毎朝、全員朝礼があった。200名の社員が一堂に会して、全員の顔が見られることにこだわっていた。何かにつけて集まり、「とりあえずコンパをするか」と飲み会をする。時間制限のない場所(社内が理想)で続ける中で、バラバラのシマがくっついてきて、2時間もすると本音が出てきて、仕事の話で自然と盛り上がるという。コンパを続ける中でリーダーたちの中に一体感が出てきた。
そこに8年在籍し、自身も社内で稲盛経営哲学を実践していた。京セラ系の会社に入ると「京セラフィロソフィー」という経営哲学を記した手帳のようなものをもとにして実践を目指していく。

京セラフィロソフィーでは、哲学=考え方が、社内のあらゆる仕事に繁栄されているかがポイントとなる。
経営の心=心をベースに経営する。移ろいやすいが結束していくことが重要。その背骨として「原理原則に従う」、何が正しいかを徹底して追求して行動していけば、正しい行動となるし、疑われることもない。
原理原則(正しいこと)の根本は、幼いときに父母から教わった通りにすれば、間違いがないというところに帰結する。こうした源流志向に感銘を受けて、今もコンサルするときにはここを基本に据えて取り組んでいる。
独立して倫理に入って、万人幸福の栞を見たときに、フィロソフィーにある「心を高めるために」の要素が出ていたことに驚き、入会前から触れていたのだと気づいた。
よい仕事をするためには、自燃性、すなわち自ら燃えて率先垂範する。常に、余裕を持って土俵の真ん中で相撲を取る必要がある。正しい判断をするためには、利他の心を判断基準として、大胆さと細心さを併せ持つ中庸さを持つことが大切。
新しいことを成し遂げるためには、潜在意識に透徹する強い願望を持ってやり抜くことが重要。もうダメだと思うときが仕事のはじまりで、とても辛い状況だが、逃げずに取り組むことがとても大切なことである。
よくいわれる「考え方×熱意×能力」の方程式は、順番が大切で「考え方」が最初に来ることが重要である。
自分の能力は未来進行形で捉える。納期が3カ月先なら、今はできなくても3カ月先にできるならば受けることが大切。今だけを基準に考えない。



部門別採算管理にも哲学が落とし込まれている。「値決めは経営である(互恵関係になるように)、売上を極大に経費を最小に、日々採算を作る(結果だけを見ているのでは打ち手が取れない)」というところ。
京セラ哲学では、人件費については人が居てナンボ、社員は家族なので、リストラはしないという捉え方をしている。必要経費も間接部門が持って管理を容易にすることを良しとせず、手間をかけてでも利益責任を明確化することにこだわっている。
メンバーは計画を立てる。これは自分がどうしたいのかという思いから考える。そして、見えなくてもよいので自分で作ることを繰り返すことで、そのことが実現するようになっていく。

稲盛哲学と倫理の実践を続けることで、皆さまから信頼される人間になりたい。

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会社において社員の成長のためにおくべき土台
1.自社にとって「正しい」ことは何か
2.人間として「正しい」ことは何か
3.社内の問題が見える環境を作ること

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